日本一になってみたい。
日本一になる。
想いはなかなか結びつかず、大学2年生から合計5回の挑戦は日本一どころかファイナル4にもかすらない。
いいチームとは言われても強くはない。勝たなきゃいけない場面で勝てない。
そんな繰り返しだった。
関わる全ての人を幸せにする日本一を獲りたい。
そう心に誓ってHCになった。
2023年、ようやく日本一になれた。
2024年、HCは継続しない方がいいと思っていた。
理由は単純で、日本一になりラクロスで叶えたかった夢を実現したからだ。
自分の情熱とチームや選手、関係者への愛情がもし1mmでも今より減るならば、HCはやらない。
それは自分の中で揺るがないルールだった。
HCとしての「慣れ」が「ダレ」に繋がり惰性になる。気づかないうちの惰性になってしまったスタンスで成果が出るわけがない。
結果的に関係者を不幸にしてしまうチームをたくさん見てきた。これはラクロスだけじゃなく、成長率が鈍化していく会社でも同じことを感じる。
だから自分の情熱がないなら今すぐチームを去った方がいい。
僕は自分に対してそう思っている。
なぜなら僕の原動力は「情熱」だから。
そんなことを考えていたのは昨年の12月の話、結果的に今年もHCをやっている。
明日は慶應戦。勝てば予選を1位で通過する。負けたら日体大男子ラクロス部の2024年のシーズンは終わる。
せっかくの機会なので僕が戦い続ける。挑戦し続ける理由を書こうと思う。
ここからが本題です。
いつもたくさんの応援をありがとうございます。
昨年度に引き続き日本体育大学男子ラクロス部のヘッドコーチを務めております、後藤駿太です。
少しだけ僕の文章にお付き合いください。
「日本一になった翌年は大変だよ」
周りからそう言われることが多かった。実際に勝ち続ける強豪校の記事や動画などもたくさん読んだり見たりしたが、勝った翌年は非常に難しいとどのチームの指導者も言っていた。
実際に23NITTAIが終わった5日後には24NITTAIがスタートし、心も休まらぬまま、頭の切り替えも難しいスタートだったと思う。
技術に関しては23NITTAIと比べ続けられ、ビジョンもなかなか浸透しない。
練習試合ではなかなか勝ちきれず、ボックスの過半数も2年生。
今年の4年生にとってはは相当辛い半年だったと思う。
自分自身も結果を出すために行動するも、なかなか思い描いたようにチームが回らない。
当然のように求めている以上の結果も出ない。
色々あって、5月には幹部とポジションリーダーを全員辞めさせた。
リセットした上で1番勝たせたい、ビジョンを実現したいと覚悟のあるメンバーがやるように伝えた。そんな良いとも言い切れない状態でチームを再始動させた。
役割関係なく、でも役割のあるメンバーは今の倍以上、チームに向き合うようになっていった。
知らない人も多いかもしれないが、今年の日体のOFリーダーとDFリーダーは2年生がやっている。自ら手を挙げてくれた、しげとずみには本当に感謝してるし、信頼してる。
若手の活躍がない限りは絶対に勝てない。常に最上級生だと思ってプレーをしなさいと2年生には伝え続けてきた。
そんな環境下で手を挙げてくれた2人こそ、24NITTAIらしさを体現してくれていると思う。明日も頼むね。
副将の1人には学生コーチの翼が立候補した。
彼の想いの強さには驚いてばかり。直接のプレーには関与できない立場ながら、チーム全員から信頼され、自分にできることは全てやっている翼の存在も24NITTAIらしさだと思う。
もちろんけいしと寺内も実力は当然上がっているし、周りからの信頼やリーダーシップに関しても素晴らしい成長を遂げていると思っている。
リーグ戦を迎え、なんとかここまで3勝1敗、慶應戦で全てが決まる。
ここにきてようやく自分が何を大事にして今シーズンHCをしているかが明確になってきた。
僕が今大事にしていることは、大切な人とそのさらに大切な人までを24NITTAIのラクロスで幸せにできているのか。ということだ。
僕にとっては部員やコーチは言わずもがな大切な存在である。
そして、今年はその大切なみんなの大切な人まで幸せにできているのか。ここを自らのミッションとしている。
その代表は保護者のみなさん。
部員数が70名ちょっとのチームに関わらず、慶應戦には70名の方々が観に来てくださる。息子娘が試合に出ている出ていないにも関わらず。
そんな保護者のみなさんにとって、24NITTAIはどう映っているだろうか。
明日も一緒に戦ってください。
他にはコーチ陣の家族。
チームの地力が足りない、もっといい組織にしたい。
そんな想いを体現するために今年は今まで以上にコーチ陣のコミットを求めている。
みんなプライベートもあり、平日の仕事の疲れもある中でだ。
コーチ陣の家族にも負担をかけているだろう。そうなった時にでも、日体のラクロス部を応援してくれるためには何ができるのか。そんなことも考えてきた。
新しくラクロスの大会を創ったり、3部の大学を対象とした共創プロジェクトの始動にも色々な背景と想いがある。
日本一をとった自分たちだからこそできること。
恵まれた環境にいるからこそ謙虚に他者のためにできることはないか。
ラクロス自体は成長しているのだろうか。またその成長を牽引するのは誰なのか?
日体が進化すればするほど色々な人の心が豊かになり、ラクロス界が発展していく。
そんな好循環を生み出せるチームを創りたい。
そのためには勝たなきゃいけないし、想いを実現できる行動を選択し続けなきゃいけない。
これが僕の情熱であり、チームや仲間への愛情であり、ラクロスをもっと魅力的な競技にしたいという野心の全てだ。
そしてこれが今年度のスローガンのPROUDの体現だと思っている。
最後に主将の尾上朋弥。彼が主将でよかったと心から思っている。
主将であり、オフェンスのエースであり、誰よりもラクロスに向き合っていて、応援なども必死にやれる君は誰もが勝たせたいと思う主将になってると思うよ。
1年前、2人で温泉に行った時は主将をやりたいが自信はあんまりないと言っていたこと。
いざ主将をやるとなったら周りから伝えられた至らない部分。
常に23NITTAIと比べられ、OFメンバーの大半は2年生でリソースも時間も足りない状況。
そんな中でも弱音を吐かず、チームに後輩に、同期に常に向き合い、朝練の前の時間から1人でシュー練をする。
いつもは元気にチームを引っ張り、時には泣きながらチームを変えようとしてくれたこと。
全てが今のチームに繋がっていると思う。
心から朋弥を漢にしたいと思っている。
本当に君が主将でよかった。
明日も最後の最後まで走り抜こう。
HCの仕事はあとは勝つだけという状態を創ること。
準備はできてるでしょう。誇りを胸に戦いましょう。
大学ラクロスの醍醐味は慶應に勝つことだと思う。
それだけ慶應は偉大なチーム。
最後まで読んでくれたみなさん。
明日も応援をよろしくお願いします。
僕が大好きなチームの予選最終戦です。
必ず心を動かす試合にします。
HC 後藤駿太